私が所有している機材を紹介するコーナーです。
マイクの詳しい説明についてはこちらの記事をご覧ください。
マイクロフォンの種類や構造について
今回紹介するのは、言わずと知れたキングオブマイク、
Neumann(ノイマン) U87Aiです!
このマイクが置いてないスタジオは無いっていうぐらい定番のマイクですね。
定番とは言われているけど、アマチュアの方はなかなかお目にかかる機会は無いと思います。しかもお値段がかなり張るので、個人で買うのは難しいですよね・・・。
それでも気になる!買ってみたい!
と思っている方の参考になればなと、U87Aiの詳細を語っていきたいと思います。
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目次
U87というマイクの歴史
まずは簡単にこのマイクの歴史から説明していきましょう。
Neumannというドイツの会社が製造しています。マイク業界では超有名なメーカーですね。第二次世界大戦以前にドイツで生まれたメーカーですね。
戦時中はヒトラーの演説用マイクとしても製造していました。軍事用としても信用されていたんですね。
その後、その品質の高さから全世界でNeumannのマイクが使われ始めます。
そうこうしているうちに、名機中の名機、U87が誕生します。今でもビンテージとして愛されているマイクですが、そのマイクを段々と改良していき、現在ではU87Aiという機種が現行機種ですね。
ビンテージのU87は、コンディションにもよりますが、ミドルが強めでモッチリした音質という印象です。現行品のU87Aiは、よりHiFiなサウンドになっています。
U87Aiの音の特徴について
私も所有しているU87Aiは世界中で親しまれている定番機種ですが、果たしてどんな音がするんでしょうか?
簡単に言うと、カッチカチの音って感じです^^;
とてもクリアで硬い音がします。具体的に申しますと、高域の成分がかなり強めです。シャキっっって感じです。
正直、自然な音ではないです^^;
でもこの音がなんとも癖になる「かっこいい音」っていう感じなんですよね。デフォルメされた音だと思いますので使えない場面もありますが。
曲の中で目立ってほしいボーカルには最適なマイクですね!このマイクにかなり近づいて歌ってもらうと、かなり目立つ音で録れます。説得力は流石っていう感じですね。
いわゆるプロっぽい音というのが簡単に出せます。
マイクプリで若干歪ませたり、コンプを強めにかけてもゴキゲンな音に仕上がります。
何でも目立つ音にしてしまうので、オールマイティには使えません・・・。私の個人的な意見ですが、アコギではあまり使えない印象です。ストロークの高域成分が耳に痛くなるんですよね。もちろん、楽器やマイキング自体の問題もありますが。
主役級のパートを録るときには重宝するマイクですね。
U87Aiの使い方
このマイクを使うときに注意しないといけないことを挙げてみましょう。特殊な部分もあるので初心者は戸惑ってしまうこともあるかもしれません。
レベルに注意
このマイク、かなりゲインが高めに設定されているので、すぐにレベルオーバーしてしまいやすいです。マイクと少し距離が近づくだけでもレベルがかなり違ってくるので注意が必要です。ある程度余裕を持たせておくのが安心ですね。
湿度に敏感
コンデンサーマイクは全般そうですが、U87Aiは特に湿度に敏感なように思います。高価なマイクですし、普段から湿度管理BOX(デジケーターなど)で保管しておくことも重要です。レコーディングが長引くと、出しっぱなし状態が続くことになりますが、そうなると段々音質が変わってきます・・・。一旦休憩をはさんでマイクも休ませてあげるといいですね。もちろん、マイクプリなんかもね。機械は熱を持ちすぎてもだめですからね。
専用のマイクホルダー(マウント)の使い方
U87Aiには専用のマイクホルダーも売っています。もちろんNeumann製のやつです。そして謎に高いです・・・。3万円以上します。他のメーカーのマウントを使ってもいいですが、私はトップ画像のようなNeumann製の専用マウントを使っています。これ意外と使い方が分からない人が多いです^^;
画像のようにホルダーの上にマイクを乗せて、ホルダー下部にあるネジをネジネジするだけで装着完了となりますが、ネジネジしてもなかなか付かない場合があります。そういう場合は無理にネジネジせずに、マイクの角度を少しずらしてネジネジしたりして慎重にはめ込んでいくようにしましょう。
U87Aiに対しての個人的意見
上記でも申しましたが、U87Aiは世界中で使われていて、このマイクで録った音は色々なミュージシャンの曲で聞くことができるので、そういう意味でプロっぽい音というのが定着したんだと思います。
当たり前ですよね!だってプロの人たちがたくさん使ってるんですから^^;
ただ、大切なのは、プロっぽい音=いい音ではないというのを覚えておかないといけません。
「これがプロの音だ!うんうん、確かにあの曲のような音がする!」
という風に盲目的に自分に言い聞かせ、他の音はナシというような固定概念を植え付けてしまっては危険です。それでは本当の意味で良い作品を作ることはできません。
極端な話、皆がそういう風に妄信をし突き進んでしまうと、世界中の音楽が全部同じ音質になってしまうことになります。
もちろん、あの音みたいにしたい・・・という欲望は重要です。そこから創作意欲が始まることは多々ありますもんね。ただ、一辺倒になってしまってはダメということです。エンジニアの仕事となるとなおさら・・・。
U87Aiが合わないボーカルさんも結構居ます。でも、U87Aiに合わない声を持っているボーカルさんが悪いのではなくて、単純にエンジニア側がマイクのチョイスを間違ったというだけです^^;
U87Aiが全ての基準ではないのです。
段々U87Ai批判みたいになってきましたね笑
いやいや、素晴らしいマイクですし個人的にも大好きです!
適材適所で使い分けられる耳を鍛えることが重要というお話でした。
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