これからパソコンを使って作曲をしてみたい!と思う人は私の周りで意外に多いんですよね。
私はレコーディングエンジニアという職業柄、
「パソコンで作曲したいんだけど、どうしたらいいの?」
という質問をよくされます。
私はこう答えます。
「まずは必要機材をそろえないといけないです」
パソコンを使った作曲で必要な機材についてはこちらの記事を参照。
初心者がパソコンで作曲を始めるにあたって絶対必要なもの5つ
しかし、最近こういう質問もよく受けます。
「パソコンで作曲っていっても、具体的にどういう作業をするの?」
「機材はどういう風に使うの?」
「何から始めたらいいのか全くわからないんだけど!」
と。
こういう質問は本当の初心者の方に多いですが、世の中にはこういった悩みを今も抱えている人も多いと思いますので、今回は、
パソコンで作曲するっていうのはこういうことをしてるんだよ!
っていうのを全てお話ししたいと思います。
パソコンでの作曲を始めたいけど、どういう仕組みになっているのか全くわからず悩んでいる初心者の方は是非参考にしていただければと思います。
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そもそも作曲方法は人それぞれ
そもそもですが、作曲の方法は人それぞれ違います。自分に合った作曲方法をみんな見つけてるわけですね。
今回は、パソコンを使った作曲方法についてお話ししていきますが、まずは一般的にどんな作曲方法があるのかをご紹介していきたいと思います。
昔ながらの「アナログ」タイプ
これは文字どおり、昔から使われている作曲手法です。
ピアノをポロンと弾きながらいいフレーズが出てきたら楽譜に書き込んで、またポロンと弾いては楽譜に書き込んでっていうタイプなんかがこの昔ながらのアナログ作曲手法ですね。
しかしこれには1つ問題があります。
楽譜が読み書きできないといけません。
なので、これはあまり初心者向けの作曲方法とは言えませんね。
テクノロジーを駆使した「デジタル」タイプ
こちらが今回のテーマに沿った作曲方法かもしれません。
楽譜などは書かずにパソコンを立ち上げてパソコン上に音のデータを入れていく作曲方法です。いまの時代、こちらの作曲方法の方が一般的になっていますね。プロの作曲家も、自宅のスタジオなどでパソコンの前に座って作曲するっていう方は多いです。
また、楽譜が書けなくても自分の耳を頼りにどんどん音を追加していって楽曲を完成させることができるので、初心者にも向いている作曲方法と言えますね。
具体的にパソコンでどういう風に音を追加していくのか、どう組み立てて楽曲を作成していくのか、という、今回の本題の部分は後ほどじっくり解説しますね。
番外編 天才タイプの作曲方法
以上のように、作曲方法は「アナログ派」か「デジタル派」かに分かれますが、もう一つ、番外編として「天才派」についても解説しておきます。
これは、いわゆる、
降ってくる
タイプですね。
散歩中にふっといいメロディーが降ってきたり、歌詞が降ってきたり、曲の全体的なイメージが降ってきたり・・・、これはあまり常人の境地ではありません。
常人でも降って来ることがありますが、それが人々に評価されるものだったらまさしく天才だと言えます。
天才になりたいものです・・・。
話は逸れましたが、
以上の内容を理解していただいたところで今回の本題、
どういう風に機材を使ってどういう風に作曲を進めていくのか
という部分を解説していきたいと思います。
パソコンでの作曲ってどういう風にやってるの?機材の使い方・作業工程を解説
さて、
初心者の方は、まず何をしたらいいか全くわからない状態だと思います。
初心者がパソコンで作曲を始めるにあたって絶対必要なもの5つ
こちらの記事を見て機材は揃えたはいいけど・・・その機材をどういう風に使っていくの?など、疑問は尽きないと思います。
安心してください。
簡単に解説していきますね。
機材の使い方を踏まえて、作業の工程を順番に解説していきます。
①パソコンのDAWソフトを立ち上げる
まずはDAWソフトを立ち上げなければ話になりませんね。DAWソフトというのは、簡単にいうと、音を録音したり、録音した音を編集したりできるソフトウェアです。CubaseやProtools、Logicなどが有名ですよね。
DAWをソフトを立ち上げたら録音の準備はバッチリ。あとは好きな音を録音していくだけです。
おすすめDAWソフト
②楽器や歌を録音していく
立ち上げたDAWソフトに実際に音を録音していく作業です。ギターを入れたかったらギターを弾いて、歌を入れたかったらマイクを使って歌を録音するだけです。
ギターやマイクはオーディオインターフェースに接続して直接録音したらいいですが、ソフトシンセやソフトドラムを入れたい場合はDAW上にソフト音源を立ち上げないといけません。
これは私が普段から使っているドラムソフト音源のBFD3です。超リアルなドラムサウンドが特徴で、音作り(イコライザーやコンプ・ドラムのチューニングやミュートまでも)が詳細にできる点が最高です。
このようなソフト音源を立ち上げて、MIDIキーボードなどを使って「打ち込み」という作業をします。キーボードを操作して、実際に演奏しているかのように音を配置する作業です。
生ピアノを曲の中に入れたいという場合は、MIDIキーボードは必須ですね。実際にピアノを弾く感じで打ち込めるので便利です。
とまあこんな感じで、自分が思いつくまま、またはあらかじめ決めてあったフレーズをどんどん録音していきます。
③録音した音を編集する
いわゆるミックスという作業をします。その名の通り、録音した音を楽曲に溶け込むようにミックスしていく作業です。ミックスはDAW上で行います。
この辺は初心者は慣れが必要ですが、作曲やレコーディングの中でもなかなか楽しい作業になります。ミックスで音を激変させるのもいいですが、基本的には音量バランスをとって、必要ない部分をそぎ落として綺麗に磨き上げる作業だと思っていただければOKです。
歌が聞こえやすいようにイコライザー(EQ)を使って広域部分をあげてもいいですし、逆に、歌の低域部分がぼわぼわして気持ち悪かったらイコライザーで下げてもいいですね。音量を均一にしたい場合はコンプをかけてもいいです。
基本的に、イコライザーとコンプレッサー(コンプ)は多用します。
あとは、装飾的なイメージで声にエコー(リバーブ)というエフェクトをかけたりして、ドラマチックにしていきます。
ミックスが終わったらマスタリングという作業になります。
これは簡単にいうと、最終仕上げです。全体的に音を聞いてみて、耳障りな音はないか、物足りない音はないか、などをチェックしていきます。最終調整なので、基本的に音質を極端に編集するということはありません。
あとは、マスタリングで重要なのは、音圧を上げること。曲全体の音量感をアップさせるということですね。市販の音楽が音量が大きい設定のものがありますが、これはマスタリングで音圧をたくさん稼いでいるからと言えますね。
初心者の方はこのマスタリングという作業もなかなか難しいと思いますが、だんだん慣れてきたら楽しい作業ですよ!
④音源データとして書き出す
ここまできたら最後は自分の作品をmp3やWavといった形式で書き出しましょう。
書き出したファイルをシェアしてもいいですし、販売してもいいですね!自分の作品を発表するという一番嬉しい瞬間です。
まとめ
以上が、「パソコンで作曲」という内容の詳細です!
ちなみに、あらかじめ曲を作ってからパソコンで録音作業をしていく「作曲」と、パソコンで音を鳴らしながら(ギターを弾いたりソフトシンセをいじったり)その場で思いつきで組み立てていく「作曲」があります。
初心者の方は時に後者の「とりあえず音を出してみて思いつきで組み立てていく」作曲方法がいいかと思います!
作曲や録音の楽しさを肌で感じることができますし、難しい音楽理論なんかも必要ないですからね!
余談ですが、音楽理論など関係なく自由な発想で作曲していくというのはとても重要ということを覚えておきましょう。プロのミュージシャンでも、この初期衝動というかビギナーズラックを大切に・追い求めている人は多いです。
何も知識がない状態で感覚で作品を作り上げていくということは、感覚が最重要視される芸術分野では特に大切とされるのです!!
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