我々のように裕福な国に生活していると、生命を脅かすほど食べるものに困るということはまずありえません。手段を選ばなければ食べることはできます。
しかし、世界には今この瞬間も飢えに苦しんでいる人々が居ます。今日生きるか死ぬかのギリギリの状況で暮らしている人々がいます。
今回は飢餓・飢饉について詳しく見ていきたいと思います。
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目次
飢餓と飢饉の違いは?
まずは、飢餓(きが)と飢饉(ききん)の違いについてお話ししていこうと思います。
みなさんは、飢餓・飢饉という言葉を聞いたことはありますか?同じような言葉なので一瞬どっちがどっちか分からなくなってしまいますよね。実は両方の言葉でそれぞれ違う意味があります。
飢餓(きが)
長期的に食料が不足していて栄養不足となり、生命維持や社会的活動が困難になる状態のこと。子供の場合、栄養不足により正常な発育が困難になり、様々な病気や知的障害なども発症してしまうリスクがある。
飢饉(ききん)
自然災害(干ばつ、津波、火山噴火など)や、紛争などによって、突発的に起こる食糧不足のこと。飢饉が長期間続くと飢餓状態ということになる。
慢性的に食料不足が続いている=飢餓、突発的に食料不足になっている=飢饉と覚えて頂ければOKですね。いずれにしても、命にかかわる大変な状況にが変わりはありません。
飢餓で苦しんでいる国や人口について
この瞬間も飢えによって健康を害したり、命を落としてしまう人が居ます。では一体、世界にはどれぐらい飢餓に苦しめられている人がいるんでしょうか。
国連WFPなどが発表した報告書によると(2015年時点)、世界で約8億人もの人々が飢えに苦しんでいると言われています。これはすごい数字です。全世界の9人に1人が飢えているという計算になります。
動物が生きるために最低限行わないといけない食べるという行為が満足に出来ていない人々がこんなにも多く世界に居るなんて、我々の社会からしたら考えられないですよね。
飢餓人口が多い地域は、アジアが一番となっています。その割合は全体の3分の2です。アジアでは飢餓人口が年々増えてしまっている国もあり、深刻な問題となっています。
人口に対して最も飢餓の割合が高いのは、アフリカです。特に南の方の国ですね。この地域では4人に1人が飢餓で苦しんでいます。
飢餓で最も影響が出てしまうのがやはり子供ですね。食糧不足は子供の成長の妨げになってしまうんです。開発途上国の子供の6人に1人(約1億人)は低体重など何かしらの障害があります。
飢餓によって子供に影響があるのは低体重だけではありません。知的障害、低身長、運動障害など、将来に大きく影響を残してしまうものばかりです。勉強すらままならない状況です。
そして、5歳未満で命を落としてしまう子供の約半数が栄養不足によるものという悲しい現実もあります。
日本の「食べ残し」について
我々が生活している日本という国は、ご存知の通り世界的に裕福な国として知られています。裕福についての価値観は人それぞれだと思いますが、少なくとも動物が生きていく上で最も基本的な部分「食べる」ということについては普通に生活するうえで問題はありません。
大量生産、大量消費というのは、日本のような経済大国には欠かせないものとなっていますが、そのせいで無駄もかなり出てしまっています。
そのうちの一つが食べ残しです。
日本の年間食べ残し量はなんと約3000万トンにも及ぶ計算になります。金額に直すと11兆円です。
なぜこんなにも大量に食べ残しが発生してしまうんでしょうか?原因は複数あります。
- 飲食店での客の食べ残し。従業員の仕込みすぎ。
- コンビニやスーパーなどの賞味期限切れの商品の廃棄。
- 一般家庭の食べ残し。賞味期限切れ商品の廃棄。
- 食品を製造する過程で発生したミス(印刷・着色など)の廃棄。
- お店で商品を陳列する際の利便性(外観的)による廃棄。
などなど。
コンビニやスーパーでは、商品を常に棚に陳列させておいて見た目を良くするということが日常茶飯事で行われているんです。例え売れ残ったとしても、見た目が良くなればいいという発想です。その方が結果的に売り上げにつながるというわけなんですね。食べ物をモノとしてしか見てませんね。
売れ残った商品は捨てる。まだ食べることができるのに・・・。
3000万トンの食べ物があれば、開発途上国の人々が約1億5000万人助かる言われています。1億5000万人ですよ!日本国民程の人数の人々を救うことができるんです。
経済成長は大切ですが、そのために必要以上に大量生産してしまうのは考えものですね。もったいな過ぎます。
食べ残しを作らないためにできること
まずは、我々消費者が買いすぎないというところから始めるしかないですね。食べる分だけ買って、足りなくなってから買い足すようにすると、うっかり賞味期限切れも抑えられますし残さず綺麗に食べることが出来ると思います。
企業側も、見た目ばかりを気にしないで、必要な分だけ陳列するように努力していくことも大切ですね。そして我々消費者も、陳列がまばらだからといって「この店だめだ」なんて思わないような意識に変えていかないとですね。
そして、浮いた11兆円を使って、恵まれない人々に食料を届けてあげたらいいんです。それだけでかなりの人数が助かります。もちろん、日本国内の様々な問題も解決できるでしょう、なんてったって11兆円ですからね・・・。かなりの巨額です。
まとめ
人間、食べ物で困るというのは一番不幸で惨めなものだと思います。人間は本来高度な技術と知恵をもって発展してきた生き物です。食べ物に困るというのは野生動物と同じです。
人間が人間らしい生活をするためには、健康な身体が必要です。食糧不足という根本的な問題が全て解決する日が来ることを願うばかりです。
発展途上国の恵まれない人々を救うための寄金を募っている団体もありますし、そういうところを調べて積極的に支援していくのも人間らしい行動の一つではないかと思います。私もこの機会にまじめに考えていきたいと思います。
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